日本人に人気の移住先「マレーシア」、温暖な気候や英語環境などの魅力がある一方で、実際に暮らしてみて見えてくるリアルな一面もあります。
この記事では、私自身の移住経験をもとに、マレーシア生活のメリットとデメリットを本音でご紹介いたします。移住を検討している方の参考になれば嬉しいです。
マレーシア移住のメリット
生活コストが抑えられる
マレーシアの最大の魅力のひとつは、コストパフォーマンスの高さです。家賃、食費、交通費、日用品など、全体的に日本よりも割安です。
例として私が住んでいるのは、プール・ジム付きの2ベッドルームのコンドミニアムで、家賃は月6万円程度です。
食事に関しては、ローカル食堂では1食300〜500円程度でお腹いっぱい食べることができます。
また、配車アプリ(Grab)でタクシーに乗った場合も、約10分の距離で500円程度と気軽に使える料金設定です。
「収入は日本、生活はマレーシア」が実現できれば、経済的にも非常にゆとりのある生活が可能です。
英語が日常的に使える環境
マレーシアでは英語が広く通じます。公用語はマレー語ですが、多民族国家であるため、公用語レベルで英語が使われています。
特に都市部では、店員・医療スタッフ・役所職員なども英語を話せる人が多く、英語力を活かしたり、実践しながら学んだりするのに最適な環境です。
英語初心者でも、簡単な単語と身振りでやり取りできることが多く、慣れてくると自然と表現の幅が広がります。
多彩な食文化と外食のしやすさ
マレーシアは「食の楽園」と言っても過言ではありません。マレー、中華、インド、西洋など、民族ごとの食文化が融合し、どの料理もレベルが高く、それでいて安いのが魅力です。
ローカル屋台から高級レストランまで価格帯も幅広く揃っており、外食することが日常です。料理を作るのが苦手な人でも、無理なく暮らしていける環境です。
日本食に関して、かなりのレストランがマレーシアに進出していて、寿司、カレー、ラーメン、とんかつ、しゃぶしゃぶ等、どのジャンルでも日本のクオリティで味わうことができます。値段も日本と同じくらいで食べられるので、長期の滞在も食に関するストレスはほぼなく過ごせます。
日本人に優しい環境とサービス
マレーシアには多くの日本人が住んでおり、クアラルンプールを中心に日本語対応の病院、日本食レストラン、日本人学校、補習校、日本人向けのスーパーなどが充実しています。
海外だけど完全に異文化というわけではなく、もしもの時は、日本人向けのサービスを利用できるという安心感のなか暮らせるというバランスが、移住初心者にも嬉しいポイントです。
メイドサービスなど家事の負担軽減が可能
マレーシアでは、家政婦(メイド)を雇う文化が根付いており、掃除・洗濯・料理・育児サポートなど、日常の家事を気軽にアウトソースできます。
費用も日本よりはるかに安く、週1〜2回の訪問サービスなら月数千円〜1万円台が相場。子育て中や仕事が忙しい家庭にとって、大きな助けとなります。
フルーツの種類が豊富で安い
日本だと、フルーツはなかなか高価なものが多く、気軽に買えなくなってきたという人も多いと思います。マレーシアでは日本では見たことのない様々な種類のフルーツに出会うことができます。
普通のスーパーでも、マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ、マンゴスチンなど、南国特有のフルーツがたくさん売られています。値段も例えばマンゴーであれば1kg200~250円という驚きの価格です。
私も日本では日常的に食べるのはバナナ、りんごくらいでしたが、マレーシアに来てからは、家には常にフルーツがいくつかあり、そのまま食べたり、スムージーにしたりして飲んでいます。
マレーシア移住のデメリット
サービスや対応が遅く、ルーズな文化も
時間に正確な日本と比べ、マレーシアでは「のんびり」した対応が一般的です。修理の予約や宅配サービス、カスタマーサポートなどでイライラすることもしばしば。
例えば「明日行きます」と言って来なかったり、メール返信に1週間かかることもあります。
お店の店員さんに何か聞いても、曖昧な返事を返されることも多いです。マレーシアで生活するには、ある程度の「待つ心」や「まあいっか精神」が必要です。
気候と冷房のギャップによる体調管理
マレーシアは年間を通じて30℃前後の常夏です。日本のような四季がなく、最初は「快適!」と感じるものの、1年中湿度が高く、身体がだるく感じることもあるでしょう。
また、建物内の冷房が非常に強く、外との気温差が激しいため、冷え性の人やお子さんは体調を崩しやすい傾向があります。
医療と教育は私立依存になり高コスト
現地の医療機関や学校の質はピンキリで、日本人の多くは私立病院やインターナショナルスクールを利用します。その分、費用が高くつくのが難点ともいえます。
医療は、診察・検査・薬代が高額になることがあるため、海外旅行保険や現地民間保険への加入が必須となってきます。
教育については、インター校の年間授業料は50万〜200万円程度と学校により幅はありますが、日本の公立と比べると高くなると思います。
家族で移住される場合は、渡航前に費用の見通しをつけておく必要があります。
車社会で徒歩移動が不便
マレーシアは圧倒的な車社会です。歩道は狭く、ベビーカーも通りづらい場所が多く、歩いて移動することが前提になっていません。
公共交通機関(LRTやMRT)は一部整備されていますが、駅までのアクセスや本数、時間の正確さではまだ課題があります。移動にはGrab(配車アプリ)や自家用車の利用が主流です。
ビザ制度の変更リスクがある
マレーシアにはロングステイ用の「MM2H」や、就労ビザ、配偶者ビザなどがありますが、政府の方針により急な制度変更や条件の厳格化がたびたび起こります。
「ビザの更新が難しくなった」「最低収入条件が引き上げられた」など、長期の計画を立てにくい不安要素がある点は否めません。
以上、本日の記事では「マレーシア移住のメリット・デメリット 」についてご紹介させていただきました。
マレーシアは、ゆったりとした生活が好きな人、英語に抵抗がない人にとっては非常に魅力的な国です。
逆に、日本式のサービスや時間感覚をそのまま求めてしまうと、不満や違和感につながるかもしれません。
「ちょっとの不便は気にしない」「新しい文化に飛び込むのが好き」という柔軟な心をもった方なら、マレーシア移住は豊かな経験になるでしょう。
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