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第二言語習得論を知って効率よく英語学習をしよう!

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英語を学んでいる方であれば、誰もが「一日でも早く英語を話せるようになりたい」と考えているのではないでしょうか。あなたは実際に人はどのようなプロセスで母国語以外の言葉を話せるようになるのかについて知っていますか?

 

第二言語を習得するプロセスをしっかり理解することができれば、ただひたすら時間とお金をかけて勉強しているよりも効率的かつ最短で英語を習得できるようになります。

 

そこで、今回は第二言語習得のプロセス」についてご紹介したいと思います。

 

 

 

第二言語習得研究とは

第二言語習得研究(SLA: Second Language Acquisition)とは、母語以外の言語を学ぶ時に、人間がどのようなプロセスで言語を習得していくのかを研究する学問です。言語学神経科学、心理学、社会学などと関わりが深く、専門家によって多様な理論が展開されています。

 

また第二言語を効率よく習得するために、近年、英語のコーチングスクールなどでこの「第二言語習得の研究結果」が活用されています。この記事では言語学者クラッシェンが唱えた第二言語習得に関する5つの仮説」をご紹介させていただきます。

 

 

クラッシェン

第二言語習得研究において最も有名な人物の一人が、言語学者ティーブン・クラッシェン」です。クラッシェン氏は、1970~1980年代にかけて一般にモニターモデルとして知られる第二言語習得に関する5つの有名な仮説」を打ち出しました。

 

 

 

クラッシェンのモニターモデル

クラッシェンが唱えたのは以下の5つの仮説です。ひとつづつ詳しく見ていきましょう。

習得・学習仮説(the Acquisition-learning hypothesis)
自然習得仮説 (the natural order hypothesis)
モニター仮説 (the Monitor hypothesis)
インプット仮説 (the Input hypothesis)
情意フィルター仮説 (the Affective filter hypothesis)

 

 

1. 習得・学習仮説

言語習得は、「習得」「学習」の異なる2つのプロセスで発達するという仮説です。「習得」とは子どもが母語を習得するプロセスに似ており「無意識的に起こるもの」であり、一方「学習」「意識的に行われるもの」であり、学校教育で文法や規則などに関する知識を学ぶことを指しています。

 

また、クラッシェンは「大人も第二言語を習得することは可能である」と主張し、この「習得」の重要性を強調しています。

 

 

 

2. 自然習得仮説

言語の習得には普遍的な順序」があり、ほぼすべての学習者がその順序に沿って言語を習得するという仮説です。

 

クラッシェンは論文の中で学習者は「複数形の”s”」のほうが「所有格の”s”」よりも早く習得されるという主張をしました。

 

 

 

3. モニター仮説

「学習」した言語は発語を「モニター」することにしか有効ではなく、「習得された言語しか発語の能力は持たない」とする仮説です。(モニターを「チェックする」という意味で捉えるとわかりやすいです)

 

クラッシェンは「1. 習得学習仮説」のなかで、第二言語を身につける上では無意識による「習得」と意識による「学習」という二つの異なるプロセスが共存するということを主張しましたが、それぞれが第二言語能力の向上においてどのように機能するのかを説明したのがこのモニター仮説です。

 

クラッシェン氏は「習得こそが第二言語の発話を引き起こすもの」であり、「学習」によって得られた知識は修正する(モニター)機能しか持たないと主張しました。

 

「学習」によって得られた知識は発話の中身を正しい文法や規則に変える場合にのみ機能するもので、それは「習得」による発話が起こった後に使用されるシステムだということです。

 

 

 

4. インプット仮説

インプット仮説は、クラッシェンが第二言語取得において最も重要だと考えた仮説で、学習者の言語能力は現在のレベルよりも僅かに高いレベルのインプットを理解したときに進歩するものであり、この理解可能なインプット(Comprehensible Input)こそが最も大事だというものです。


クラッシェン氏は現在の言語習得レベルを「i」とし、それよりも僅かに高いレベルを「i+1」と表現しました。「+1」とは自然的な順序に沿った次のレベルのことを指します。

 

学習者は現在の能力を大きく超える「i+2」のインプットでも、現在の能力と変わらない「i+0」のインプットでもなく、「i+1」という理解可能なインプットを受け続けることで自然と言語を習得していくと提唱したのです。

 

 

 

5. 情意フィルター仮説

情意フィルター仮説とは、感情的な要因がいかに第二言語習得に影響を及ぼすかを説明した仮説で、具体的には「不安」「自信のなさ」といったネガティブな感情が、言語の習得能力を低下させてしまうというものです。

 

クラッシェン氏は情意フィルター仮説において、第二言語習得の成功に関わる感情として「動機付け」「自信」「不安」の3つを挙げており、「動機」と「自信」はあればあるほど情意フィルターは低くなり言語習得に成功しやすくなる一方で、「不安」が強いと情意フィルターは高くなり、言語習得の妨げとなるとしています。

 

これは英語を勉強したことのある方なら理解できると思います。そもそも英語学習に対する動機付けが弱いとなかなか英語は習得できませんし、「間違ったら恥ずかしい」といった不安感が強いと、うまく英語が話せなくなることが多いです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したクラッシェンの5つの仮説に関しては、他の言語学者からの批判も多くあり、現在の第二言語習得研究においてはクラッシェンの仮説がすべて正しいと考えるのは現実的ではないかもしれません。

 

しかし、英語学習を経験した目線で見ると、納得できる部分が多くあると感じます。英語学習を効率的に進めていく上で、この「第二言語習得理論」を知っておいて損はないと思います。

 

【ヨーロッパおすすめ都市】1ヵ月でヨーロッパのできるだけ多くの都市を旅してみた

コロナの影響で海外旅行に行けない日々が続いております。しかし旅行は実際に行ってからより、計画を立てているときの方がワクワク度が高かったりしますよね。こんな時期だからこそ、コロナが終息したらどこに行こうか計画してみてはいかがでしょうか。

 

この記事では、私が以前1ヵ月かけてヨーロッパのできるだけ多くの都市を訪れることを目標に旅したことをお話しさせていただきます。旅の方法やオススメの都市などをご紹介したいと思います。「いつかヨーロッパを旅したい」と思っている方のは是非参考にしてみてください。

 

 

旅のきっかけ

私は以前、東南アジアを中心に特に行き先を決めず放浪していたことがあります。アジアを旅しながら、次はどこに行こうかと考えている時、ふとヨーロッパが頭に浮かびました。もしかしたらこの先の人生ヨーロッパに行く機会なんてないかもしれない。今なら時間とお金はある。行くしかない!!と思い、「1ヶ月で行けるだけの国を周る」ということだけ決めて、勢いでタイ⇔オランダの1ヵ月の往復航空券を買いました。そんな感じで、ガイドブックも持たない私の1ヵ月間ヨーロッパ一人旅は決行されました。

 

 


訪れた都市、ルート

私が1ヶ月訪れたのは、以下の地図の通りで7ヵ国20都市です。

 

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アムステルダム(オランダ)ブレーメン(ドイツ) → ローテンブルク → ケルン → フランクフルト → アウクスブルクミュンヘンザルツブルク(オーストリア) → ウェルグル → インスブルックフュッセングリンデルヴァルト(スイス) → ミラノ(イタリア) → ニース(フランス)マルセイユ → リヨン → パリ → モンサンミシェル → パリ → ブルージュ(ベルギー)ブリュッセルアムステルダム

 

 

 

移動方法は?

移動手段は主にバスを利用していました。値段も安く、移動中の街並みや風景もゆっくり楽しめるので、ヨーロッパの旅はバス移動をおすすめします。ヨーロッパで一番メジャーなバス会社はこちらglobal.flixbus.com


座席も広く、コンセントやWiFiも完備されていてかなり快適でした。

 

次に、電車も何度か利用しました。直前でバスが取れなかったときや、バスの路線外の小さな街に行く際には電車を利用しました。バスに比べて割高にはなりますが、移動時間は短縮できるので快適です。ただ、ヨーロッパの鉄道は頻繁にストライキを起こし運行が停止になることがあるので注意が必要です。

 

 


宿泊は?

一番よく泊まっていたのは、ゲストハウスのドミトリーで部屋には二段ベットがいくつか置いてあり5~7人の相部屋が多かったです。ヨーロッパのゲストハウスは割ときれいなところが多くベットもしっかりしていて寝やすかったです。値段は大体3000円くらいでした。

予定がしっかり決まった旅ではなかったので、行った先々で次行く街を決めてネットで2~3日分の宿をとって移動するといった感じでした。

よく使っていたのが以下の2つのサイトです。

www.booking.com

www.japanese.hostelworld.com

 

 

費用は?

「ヨーロッパ1か月周遊」なんて聞くとかなり高そうなイメージがしますが、旅行会社のツアーなどに比べて個人旅行はかなり費用が抑えられると思います。私が1ヶ月で使ったのは航空券代もすべて含めて約30万円でした。
詳細は以下の通りです。

タイからオランダの往復航空券 68,000円
宿泊代 100,000円
食費   60,000円
交通費  50,000円
その他  20,000円

合計→29万8000円

なんと1ヵ国すべて込みで30万円切っちゃうんです。(ちなみに日本で有名な旅行会社を利用すると一週間くらいの旅行でも30万はいきます)

 

 

おすすめ都市

私が訪れたヨーロッパ7ヵ国20都市の中で最もおすすめする3都市をご紹介いたします。

 

ブルージュ

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ベルギーの北西部の町ブルージュ
昔は交易の中心として栄えた街であり、その頃の面影が残る美しい街並みは「屋根のない美術館」とも呼ばれています。街の雰囲気がとっても可愛くて何時間でも散策できちゃいます!チョコレートやワッフルなど美味しいスイーツ屋さんがたくさんあるのでスイーツ好きの方にはかなりオススメです!街の中心地はそんなに広くないため、自転車を借りて郊外のほうにサイクリングするのもオススメです!

 

 

 

マルセイユ

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フランスの海の玄関であり、数々の映画の舞台ともなった港町マルセイユ。港町のロマンと旅情をたっぷり味わえて本当に美しい街です!!マルセイユに行ったらぜひ訪れてほしいのがマルセイユ市街地からバスで30分程のところにあるカランク国立公園です。大きさは520㎢にもおよび、そのほとんどが海域となっています。日本では見たことないレベルのとても綺麗なビーチやハイキングができる山々があり、自然をたっぷり満喫できます!

 

 

 

オーストリア チロル地方

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オーストリアアルプスが広がるチロル地方は私がヨーロッパを旅した中で1番魅力的な場所でした。オーストリアアルプスはスイスのように4000メートル級の急峻な山々が連なっているわけではありませんが、だからこそ穏やかで開放的な風景をのんびり楽しむことができます。緑の牧草地やお花畑に囲まれた自然の中でハイキングなどが楽しめます。是非この魅力的な空気を肌で感じてください。

 

いかがでしたでしょうか。本日は「1ヵ月かけてヨーロッパのできるだけ多くの都市を訪れることを目標にした旅」についてご紹介させていただきました。

また旅に役立つ情報をお届けいたします~☆

英語学習を始める前に自分に合った学習スタイルを知ろう!!

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グローバル化が進む近年、英語学習の需要が急激に高まってきています。英語の勉強を始める方のほとんどが「英語を効率よく学びたい」「挫折しないための勉強法が知りたい」と思っているでしょう。

 

今回は、そんな方々が「英語学習を始める前に必ず知っておいていただきたいこと」をご紹介いたします。

 

 

 

勉強を始める前に知っておきたいこと

英語を勉強したいと思ったとき、まずはインターネットや本をみて「何から始めるか」「おすすめの勉強法」などを調べる方が多いと思います。そこには一般的な学習法などが書かれているかと思います。しかし、それがあなたに当てはまるとは限りません。

 

英語を始める前に知っておくべきこと、それは「自分に合った学習スタイル」です。

 

近年、世界的に「学習者中心の教育(student-centered learning)」が謳われるようになっています。日本の教育においても、「個々の学習スタイルにあった学習環境を提供すること」「学習者が自分の学習スタイルを認識し、それに見合った学習環境を選択すること」は、効果を最大限にするために、とても重要であると考えられています。

 

要するに、ベストな学習方法はその人のタイプによって違うので、効率よく学習を進めるためには「それぞれ異なるアプローチをするべき」という考え方です。

 

 

 

自分に合った学習スタイル

人は皆、「特徴」「特技」を持っています。絵心がある人もいれば、ない人もいます。「論理的思考」が発達している人もいれば、「想像力」が異常に発達している人もいます。

 

その特徴を活かした学習法を選択するために、まずは「自分に合った学習スタイルを知ること」から始めましょう。学習スタイルを「2つの視点」から分析してみたいと思います。自身はどの分類に当てはまるは考えてみてください。

 

 

①場独立・場依存

学習スタイルの1つ目の視点は「場独立 (field independence)」か「場依存 (field dependence)」という分類です。

 

場独立

・個々の要素をそれぞれ独立したもととしてとらえる傾向がある
・1人で問題解決に取り組むことを好む
・言語項目の分析と系統的整理を好む
・筆記試験でも得点は高い

 

場依存

・個々の要素を周囲のものとの関連でとらえる傾向がある
・グループ活動を好む
・対人関係が得意でコミュニケ一シヨンのための言語使用を好む

 

 

 

おススメの勉強法

場独立

・文法などの形式中心に学習する
・規則を使って暗記する

 

 

場依存

・コミュニケーションを中心として学習する
・すべて理解していなくてもやってみる
・実践や、フィールドワークを推奨するクラスを受講する

 

 

②視覚型・聴覚型・体感型

学習スタイルの2つ目の視点は「視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感(Kinesthetic)」という分類です。

 

 

視覚

・グラフやチャート等、情報を目で見ることで理解する
・書かれた情報をよく覚えている
・耳で聞くより、目で見ることでよりよく学べる

 

 

聴覚

・聞いたり、話したりした内容をよく覚えている
・物事のやり方を口頭で説明してもらい、要点を声に出して確認するやり方を好む
・アクセントや、イントネーション等、声に現れる違いに気が付く

 

 

体感

・新しいことを実際に体験することを好む
・物事を口で説明するより、実演してみせることを好む
・グループで物事に取り組むことを好む

 

 

 

おススメの勉強法

視覚

・絵やチャートなどに書き換えてみる
・最初に概要を押さえてから、詳細を学ぶようにする
・ノートみやすくは色分けしてメモする
・語彙の学習にフラッシュカードを使う

 

 

聴覚

・講義は録音して何度も聞くようにする
・学習する内容を、自分の言葉で、声に出して、何度も繰り返す
・学習グループのメンバーと学習する内容を討論する

 

 

体感

・長時間勉強するのではなく、休憩を頻繁に入れる
・体を動かしながら、学習する
・立って作業する
・実践や、フィールドワークを推奨するクラスを受講する

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。今回の記事では「自分に合った学習スタイル」についてご紹介させていただきました。自分がどれに分類されるか認識できたでしょうか??

①場独立 or 場依存
②視覚型 or 聴覚型 or 体感型

 

 

英語を本気で勉強したいと思っている方は、まずは「自身の学習スタイルを認識すること」をおすすめします。この記事でご紹介した学習スタイルは英語学習だけでなく、他のことを勉強をするときにも大いに役立つと思います。是非参考にしてみてください!

 

相対敬語と絶対敬語【意外と知らない!?語学の知識】

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絶対敬語相対敬語という言葉をご存知でしょうか?私は日本語教育能力検定試験の勉強をしていた時、初めて知りました(日本語教育能力検定試験についてはこちらを参照してください→独学で日本語教育能力検定試験に合格するための勉強法!! - 語学キング)。そしてこの絶対敬語と相対敬語の違いを知ると、日本語と韓国語の敬語の違いも見えてきます。

 

 

敬語をいつ使う?

皆さんはどんな時に敬語を使うでしょうか。目上の人に対して使うと認識している人は多いと思います。もちろん敬語は年齢や地位の「上下関係」によって使い分けられますが、これに加えて「親疎関係」「ウチ/ソト関係」によっても使い分けられています。

 

「親疎関係」とは"親しい/親しくない"の違いのことです。明らかに自分より年下の人であっても初めて会った人には敬語を使うというのが親疎関係によって敬語を使い分ける例です。

 「ウチ/ソト関係」というのは、身内/身内以外、社内/社外などの違いのことです。例えば社内では上司に敬語を使っていますが、社外の人に対しては「山田部長はいらっしゃいません」とは言わずに、「山田はおりません」と謙譲表現を使うことです。

 


相対敬語とは

上記の通り日本で使われている敬語は「上下関係」「ウチとソト(身内/身内以外)」「親疎関係(親しいか親しくないか)」によって使い分けられており、このような敬語を相対敬語といいます。話題となる人に対して、話をする相手との関係で敬語の使い方を変える用法です。

 

 


絶対敬語とは

「絶対敬語」は、自分より目上の人かどうかという絶対的な基準をもとに、使用を決めるというものです。韓国ではこの絶対敬語が主に使われています。


韓国語では、目上の者について話すとき、話す相手が誰であれ、基本的には敬語を使います。例えば、自分の祖父について話す場合、身内の者に祖父について話すときも、他人に祖父について話すときも、いずれも「おじいさまはいらっしゃいません」と敬語を使います。また両親と話すときに敬語を使うという人も珍しくないそうです。


どんな場合でも年齢が上の人には敬語を使う。これが絶対敬語いうものです。

 


いかがでしたでしょうか。この記事では相対敬語絶対敬語についてご説明させていただきました。内容をまとめると以下の通りです。

・日本で主に使用されているのが「ウチ/ソト関係」によて使い分ける相対敬語

・韓国で主に使用されているのが「上下関係」によって使い分ける絶対敬語

 

今後も語学に関する役立つ情報をお届けいたします〜☆

日本語と韓国語の共通点5つ

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韓国語は日本人にとって最も容易に習得できる言語と言われています。その理由は日本語と韓国語には多くの共通点があるからなんです。

 

私は以前、韓国留学をして韓国語を習得した経験があります(詳しくはこちらの記事で→私が韓国語をマスターするまで①【動機付け編】 - 語学キング)。

 

韓国の語学堂に通っていた時のクラスメイトは中国人や英語が母国語の生徒など様々でしたが、その中でもやはり日本人が一番理解が早く、成績もよかったのを覚えています。私の実体験を踏まえても韓国語は英語や中国語とは比にならないほど習得しやすい言語でした。

 

今回の記事では「日本語と韓国語の共通点5つ」についてまとめてみたいと思います。

 

 

 

 

同じ発音、同じ意味の単語がある

韓国語には日本語と同じ発音の単語が多く存在します。韓国語を習得する前、海外で韓国人の友人とルームシェアをしていたことがあるのですが、そのとき韓国人同士の会話を聞いて「ん?日本語?」と思うことが何度もありました。例えば、空気の話をしているときに「~~サンソ、~~イサンカタンソ」と聞こえたので、今なんて言ったの?と意味を聞くと、日本語と同じ意味で酸素/산소(サンソ)二酸化炭素/이산화탄소(イサンカタンソ)を使っていてビックリしたことがあります。

実は韓国語には日本語と同じ発音、同じ意味で使われている単語が多くあります。以下がその例です。

簡単/간단(カンタン)
約束/약속(ヤクソク)
気分/기분(キブン)
記憶/기억(キオク)
詐欺/사기(サギ)
無理/무리(ムリ)
安心/안심(アンシン)

 

これは日本語も韓国語も元々は中国の言葉から由来しているので、漢字を基にした単語「漢字語」が多く使われているためです。同じ発音の単語は初めて聞いた単語でも意味が分かってしまうこともあります。

 

 

語順が同じ

語順とは、主語、述語、目的語など文章を作る要素の順番のことです。日本語と韓国語は基本的には同じ語順(SOV型)です。なので、日本語で言いたいことを考えて、1つ1つ韓国語に置き換えていくだけで、スムーズに話すことができます。

英語や中国語など、語順が違う言語の場合、発話するとき頭の中で単語を並び替えるプロセスが必要となり、慣れるまで時間がかかります。しかし、語順が同じ韓国語はそのプロセスが必要なく、思いついたままに話せるので日本人にとっては割と簡単に話せるようになることができます。

 

 

助詞の使い方が同じ

次に大きな共通点としては「助詞(てにをは)」の使い方や入る位置が同じであることすです。英語では「私は」「私の」「私を」など主語、所有格、目的格など語順によって「I」「My」「Me」と活用しなければいけませんが、日本語では「私」はそのままでその後に続く助詞で意味を変えますよね。この点が韓国語も同じなのです。

 

 

漢数詞と固有数詞がある

1、2、3などの数字のことを漢数詞、1つ、2つ、3つなどものを数えるときなどに使う数字のことを固有数詞といいます。日本語では、数字についてこの2つの概念がありますが、韓国語も全く同様です。

ただ、韓国語では、数を数える物の単位によって、漢数詞を使うか固有数詞を使うかが明確に定められています。この点は日本語とは異なるので、覚える必要があります。

 

 

敬語がある

韓国語には日本語と同様に「尊敬語」が存在します。年上の人を敬う気持ちや相手に礼を尽くすという文化も二つの国が似ているということを表しているといえるでしょう。

 

「わたし」→「わたくし」=「나(ナ)」→「저(チョ)」

「きみ」→「あなた」=「너(ノ)」→「당신(タンシン)」

「する」→「される」=「하다(ハダ)」→「하시다(ハシダ)」

 

しかし、相対敬語と絶対敬語という概念では、日本語と韓国語で差異があるため、注意する必要があります。

 

 

いかがでしたでしょうか。今回は「韓国語と日本語の共通点5つ」をご紹介させていただきました。共通点をまとめると以下の通りです。

・同じ発音、同じ意味の単語がある

・語順が同じ

・助詞の使い方が同じ

・漢数詞と固有数詞がある

・敬語がある

 

韓国語ではハングル文字が使用されていて、このハングル文字が日本語とは見た目が全く違うため、遠い言語と思われがちです。しかし実はこんなにたくさんの共通点があるんです。今後も語学に関する役立つ情報をお届けいたします~☆

独学で日本語教育能力検定試験に合格するための勉強法!!

私は2019年の日本語教育能力検定試験に合格しました。この検定試験の勉強を始めるまで、日本語教育に関しては勉強したことはありませんでしたが、独学で約6ヵ月間勉強して合格に至りました。

 

今回の記事では、日本語教育能力検定試験に挑戦したい」と考えている方のために、この試験の概要と合格するために私が実践した勉強法をご紹介させていただきます。

 

 

 

日本語教育能力検定試験の概要

 

日本語教育能力検定試験は、日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的としています。公益財団法人 日本国際教育支援協会が実施しています。

 

2022年の試験の詳細は下記の通りです。

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JEES公益財団法人 日本国際教育支援協会HPより引用

 

 

試験の構成は以下の通りです。

試験Ⅰ 90分 100点 原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。

試験Ⅱ 30分 40点 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定する。

試験Ⅲ 120分 100点 原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。

 

出題範囲は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語一般」の5つの区分に分けられています。

 

 

 

日本語教育能力検定試験って役に立つ!?

今後、日本語教師として働いてみたいという方は、取っておいて損はないと思います。日本語教師の求人は、下記のいずれかを満たすことが条件として挙げられていることがほとんどです。


1. 大学または大学院で日本語専攻あるいは副専攻
2. 大学卒で、日本語教師養成講座420時間以上を受講
3. 日本語教育能力検定試験に合格(学歴不問)

 

 

 

私は大学に行っていないため、日本語教師になるためにはこの日本語教育能力検定試験に合格することが一番の近道でした。また費用的にみても、日本語教師養成講座420時間の受講料は約50万円となかなか高額なのに対して、1万円弱の教材代だけで済んだこの日本語教育能力検定試験はかなりコスパがよかったのではないかと感じています。

 

 

 

勉強時間

私は日本語教育能力検定試験に合格するために約6ヵ月間勉強し、トータルの勉強時間は約280~300時間でした

 

勉強時間のイメージとしては、6ヵ月の勉強期間のうち最初の4ヶ月間は、平日1時間、休日2時間平均で、残り2ヶ月間はその倍は勉強時間を確保していたかなという感じです。フルタイムで働いていたので、それでもあまり無理せずできる勉強時間でした。もっと勉強時間が取れる方は3~4ヶ月での受験でも行けるのではないでしょうか。

 

 

 

勉強法

私が使用していたのは以下の3種類の教材です。

①完全攻略ガイド

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ここには日本語教育能力検定試験に必要な知識が全部つまっている教科書よのうなものです。

 

 

 

②合格するための問題集

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実際の試験に近い問題が区分ごとに練習できる問題集です。

 

 

 

③過去問題集

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具体的な勉強法は以下のようなステップで行いました。

 

 

ステップ1:①の完全攻略ガイドを読みこむ

まずは、①の完全攻略ガイドを読み、試験の内容すべてを把握します。完全攻略ガイドには試験に必要なことすべてが詰まっています。試験までに3~5回くらいは繰り返し読んでおくことをお勧めします。私は勉強を開始して最初の2ヶ月間くらいは完全攻略ガイドのみを使って以下の流れて勉強していました。

 

1回目→ざっと読んで試験内容を把握
2回目→重要なところに蛍光ペンでラインをしながら読む。各章ごとにある確認問題にも挑戦し用語にも慣れていく
3回目→蛍光ペンでラインした部分を重点的に読み、確認問題も再度行い、用語を確実に覚えていく

 

 

ステップ2:②の合格するための問題集で実際の問題を知る

勉強を始めて2ヵ月過ぎたあたりから、合格するための問題集を解いていきます。ここで初めて、「完全攻略ガイドで覚えたことがこのような形で出題されるんだ」ということを認識します。最初は難しく感じるかもしれませんが、わからなかったところは再度完全攻略ガイドを読んでしっかり覚えていきます。

 

 

 

ステップ3:③の過去問題集に挑戦

「合格するための問題集」を一通りやったあたりで、1度過去問題集に挑戦してみてください。そして今の自分の実力を確かめます。私は試験までに3年間分の過去問題集を解きました。間違えたところはチェックしておき後から確認できるようにします。

 

 

 

ステップ4:記述問題&最終確認

テストまであと2ヵ月という頃から記述問題の練習を始めます。書いたものは必ず推敲し、何度も書き直します。また並行して過去問題集を解いたり、合格するための問題集で間違えたところを再度解きなおします。身についていないものは完全攻略ガイドに戻ってよく読みます。

 

この検定試験は覚える用語が非常に多いため、私はスマフォにフラッシュカードのアプリを使い、通勤時間や就寝前の時間を使って常に暗記物は復習できる環境にしておきました。

 

また、日本語教師数や学習者数など日本語教育に関する最新のデータもおさえておく必要があります。試験1ヶ月前を目安に関連HPのチェックも忘れずにするようにしましょう。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。この記事では「日本語教育能力検定試験の概要と私が実践した勉強法」をご紹介させていただきました。今後この試験に挑戦する方の少しでも参考になれば幸いです。今後も語学に関する役立つ情報を発信していきたいと思います~☆

TOEICが高得点なのになぜ英語が話せない⁉【話すための勉強法を教えます】

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TOEICが高得点でも英語が話せないってホント⁉

英語の検定試験はたくさんありますが、その中でも圧倒的な知名度があるのがTOEICです。企業で英語力を測る基準として使用しているところも多いです。

その一方で問題視されているのが、TOIEC高スコア保持者の実際の英語力です。TOEICで800点以上のスコアを持っていても、実際のコミュニケーションの場面ではほとんど英語が話せないということが起きています。

なぜTOIECの得点と実際の英語力に差ができてしまうのでしょうか。この記事では「TOIEC高得点でも英語が話せない理由」「話すための勉強法」をご紹介したいと思います。 

 

 

 

TOEIC高得点でも英語が話せない理由

TOEIC高得点の人でも実際に英語が話せないのはどうしてでしょうか?理由は「アウトプットをしていない」からです。

英語の4技能である「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」のうちTOIECに必要なのは「リスニング」「リーディング」の能力だけです。これは英語学習におけるインプットにあたります。反対に、「スピーキング」「ライティング」アウトプットにあたります。

いくら単語や文法の知識があっても、それを組み立てて自分の口で発音する力がないと英語を話すことはできません。英語学習をダンスに例えると、基本ステップの踏み方や、腕の振り方は完璧にマスターしているが、実際に音楽に合わせて踊ったことはない状態ということになります。

 


TOEIC対策の勉強は無駄?

では、英語を話すためには、TOEIC対策の勉強は完全に無駄なのでしょうか?結論から言いますと、そんなことは全くありませんTOEIC対策の勉強は実際の英語力に大いに関係あります。

「話す」=「スピーキング 」と考えがちですが、「話す」=「リスニング+スピーキング 」です。「会話する」ためには、まず相手の言葉を聞き取り、理解し、自分の考えや想いを英語で言葉にすることが必要となります。

TOIEC高得点が取れるなら、リーディングとリスニングの技能はしっかり身に付いているということです。これは英語を話すための基礎はしっかり固まっているという状態でもあります。あとは既にある知識を組み立てて発信するための効果的なアウトプットをするだけです。

 

 

話せるようになるための勉強法

では実際に話せるようになるためにはどのような勉強が効果的なのでしょうか。以下に効果的な方法4つをご紹介いたします。

 

音読のトレーニングを行う

実際の英語力を向上させるために積極的に行うべきなのが「音読トレーニング」です。リーディング問題の文章やリスニングの文章をひたすら音読しましょう。音読することで文の構造をリズムとして体感することができ、リーディングで文章を黙読するスピードを上げることもできます。

 

「正しいか」ではなく「伝わるか」を意識する

TOIECのスコアは正答率で採点されるので「正しさ」は重要ですが、実際のコミュニケーションの場面で重要なのは「伝わるか」ということです。ネイティブではないので、100%正確な英語を話せなくて当たり前です。日本人は正しい英語を意識しすぎてしまい、話せなくなってしまう人はとても多いです。間違いを恐れずに、まずは話してみて「伝わればよし!」という気持ちで会話を楽しむように心がけましょう。

 

映画を見てシャドーイング

スピーキングを鍛えるために効果的な方法がシャドーイングです。英語教材の音声でもいいのですが、私は映画の音声をシャドーイングすることをお勧めします。映画は実生活で使われている生の会話なので、より実践的な練習ができます。その分難易度も高いので、まずはディズニーやジブリなどのアニメでやってみるとよいでしょう。

 

オンライン英会話で話しまくる

実際に英語を話すのにおすすめなのが「オンライン英会話」です。一昔前だと実際に英語を話したいと思っても、英会話教室に通うか、海外に行かなければならず、なかなかハードルが高かったです。しかし今の時代、スマフォさえあればいつでもどこでも英会話ができちゃいます。こんな便利なツール使わない手はないですね。現在は様々なオンライン英会話があり、数週間無料体験できるところも多くあります。空いた時間にオンライン英会話を利用して自身の英語力を試してみて下さい!

 

 

いかがでしたでしょうか。今回の記事では「TOIEC高得点でも英語が話せない理由」「話すための勉強法」を紹介させていただきました。

内容をまとめると、TOIEC高得点でも英語が話せない理由は「アウトプットをしていないから」です。話すための勉強法は以下の4つです。 

・音読のトレーニングを行う

・「正しいか」ではなく「伝わるか」を意識する

・映画を見てシャドーイング

・オンライン英会話で話しまくる

 

TOIEC高得点なのに英語がしゃべれない~~!とコンプレックスに感じている方は多いと思います。TOIECで高得点とれる方は話すための基礎は固まっています!こちらの記事でご紹介した方法で積極的にアウトプットをして「話せる」英語を磨いていきましょう!