子どもをバイリンガルに育てたいと思う親は増えています。
「グローバルな時代に必要だから」「将来の進学や仕事に役立つから」など理由はさまざまですが、その一方で「日本語が遅れてしまうのでは?」という心配の声もよく聞かれます。
この記事では、バイリンガル育児に関するよくある誤解について解説させていただきます。安心してバイリンガル教育に取り組むための参考になれば嬉しいです。
そもそもバイリンガル教育とは?
バイリンガル教育とは、2つの言語を身につけることを目的とした教育方法のことです。「母語+外国語」「外国語+地域の言語」など、組み合わせは家庭や地域によって異なります。
特徴
①言語習得+文化理解
バイリンガル教育というのは、言語習得だけでなく文化理解も含まれます。言語は文化と深く結びついているため、多文化理解にもつながります。
②幼児期は吸収力が高い
言語習得において、特に発音やイントネーションは小さいうちのほうが身につけやすいという特徴があります。
③教育スタイルが多様
家庭で「家では日本語・外では英語」と使い分ける方法や、インターナショナル幼稚園に通わせる方法、OPOL(One Parent One Language=親がそれぞれ違う言語を話す)など様々なスタイルがあります。
メリット
・認知能力や柔軟な思考力の向上
・将来的に進学や就職で有利
・異文化理解や広い視野が育つ
課題
・一時的に語彙数が少なく見えることがある
・環境を整えないとどちらかの言語が弱くなる可能性がある
・親の根気と継続が必要
「子どもに早くから英語や他の言語を触れさせると、日本語が遅れるのでは?」という心配をよく耳にします。実際、バイリンガル教育を始めるときに多くの親が最初に抱く不安です。しかし、これは半分正解で半分誤解でもあります。
では、バイリンガル教育の実際によくある誤解と事実について以下に解説させていただきます。
誤解1:日本語が遅れる
結論から言うと、バイリンガルだから必ず日本語が遅れるわけではありません。子どもは複数の言語を聞き分け、必要な場面で適切に使い分ける能力を持っています。
ただし、同時に複数言語を学ぶことで一時的に語彙数が少なく見えることはあります。これは「遅れている」のではなく「二言語を並行して学んでいる」 状態なのです。
言語発達の専門家によると、バイリンガル児が一時的に「語彙が少なく見える」ことは正常な発達の一部だとされています。
研究でも、長期的に見るとバイリンガルの子どもは認知能力や柔軟な思考力が高い傾向があると報告されています。
誤解2:日本語が弱いとアイデンティティに悪影響
「母語が弱いと自己表現ができないのでは?」という声もあります。確かに母語はアイデンティティに深く関わりますが、家庭でしっかり日本語の会話を続けていれば問題ありません。
ポイントは、家庭内では日本語を大切にするルールをつくること。たとえば「家では日本語、外では英語」というように環境を分けることで、子どもは安心して両言語を身につけられます。
誤解3:親がネイティブ並みに教えないとだめ
「私の英語力では子どもに教えられない…」と感じる方も多いですが、実は親が完璧な英語を話す必要はありません。
大切なのは、英語を使う環境を自然につくることです。絵本の読み聞かせ、歌、アニメ、バイリンガルの幼稚園など、親の力を補ってくれるリソースはたくさんあります。
実際に気をつけたいポイント
・日本語を維持したいなら「家庭での会話は日本語」を徹底する
・語彙の習得に一時的な差が出ても焦らない
・子どもが使う言語を選ぶのは自然なこととして受け止める
・親も一緒に楽しむことで学習がポジティブな経験になる
まとめ
バイリンガル育児に「日本語が遅れる」という不安はつきものですが、実際には誤解が多く含まれています。
重要なのは、子どもが安心して日本語と他言語を行き来できる環境づくりです。親が過度に心配せず、楽しく継続できる工夫をすれば、日本語も外国語もきちんと伸びていきます。
いかがでしたでしょうか。本日の記事では「バイリンガル育児のよくある誤解 」について解説させていただきました。バイリンガル教育に興味があるという方は是非参考にしてみてください☆
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