「比喩」と聞くと何か難しい感じがしますが、私たちは普段の会話の中で様々な比喩表現を使っています。
例えば「太陽のような笑顔」や「氷ように冷え切った心」などのように、なにかを説明したり表現したりするときに、他のものに例えることを「比喩」と言います。比喩表現を使うことで物事を分かりやすく説明することができますし、表現の幅も広がります。
このような比喩表現を英語でも使えるようになったら、英会話の表現力も高まるのではないでしょうか。この記事では「英語でよく使われている比喩表現」についてご紹介いたします。
直喩(シミリー)と隠喩(メタファー)
英語での比喩表現を紹介する前に、まずは比喩表現とは、どういうものなのかを見ていきましょう。日本語では、比喩は大まかに分けて2つの種類があります。「直喩(シミリー)」と「隠喩(メタファー)」です。
直喩
「〜のような」「〜みたいな」という表現を使った比喩のことを言います。例えば、「人生はマラソンのようだ( Life is like a marathon.)」などです。英語では「like」や「as」を使います。
隠喩
「〜のような」「〜みたいな」という表現を使わない比喩表現のことです。何か別のもとを意味しているけれど、はっきりと比喩であることを示さない表現です。例えば、「君は看護師の鏡だ」や「あの先生は悪魔だ」などです。
ではこの直喩と隠喩を理解した上で、英語でよく使われている比喩表現をいくつかご紹介いたします。
英語でよく使われる隠喩表現
では、まずは「like」や「as」は使わない隠喩表現をご紹介いたします。
Time is money.
意味:時は金なり
「時間はお金と同じくらいの価値があるから大切にしなさい」という意味で使われている比喩表現です。これは日本語でもそのまま直訳した形で使われています。
a piece of cake
意味:朝飯前
直訳すると「ひと切れのケーキ」となります。ひと切れのケーキなんてペロッと食べれちゃう!ということから、簡単なこと、楽にできることを表す時に使われる表現です。これが日本語では「朝ご飯の前」となるのは面白いですね。
early bird
意味:早起きする人/時間より早く来る人
直訳すると「早い鳥」となりますが、早起きする人、早く行動できる人、他の人よりも早く到着する人を表す比喩表現として使われます。
英語で"The early bird catches the worm"というイディオムがあります。直訳では「早く来た鳥は、虫を捕まえる」ですが、意味としては「朝早く起きると良いことがある」となり、つまり早起きは三文の得と同じ意味です。
lemon
意味:欠陥品
日本語ではフルーツの「レモン」以外の意味はありませんが、英語では"This car is a lemon."「この車は欠陥車だ」というように、不完全な物や人、欠陥商品を表す比喩表現として使われています。
black sheep
意味:厄介者
直訳すると「黒い羊」となります。昔、黒い羊の羊毛を染めることが出来なかったため、羊飼いは黒い羊が好ましくないと思っていたことから「のけ者」「やっかい者」「見捨てられた者」「変わり者」を表す比喩表現として使われているようです。
英語でよく使われる直喩表現
続いて「like」や「as」を使用する直喩表現をご紹介いたします。
sleet like a log
意味:ぐっすり眠る
直訳すると「丸太のように眠る」となりますが、丸太は重くて全く動かないことから「爆睡する」「ぐっすりと眠る」という意味になります。
sound like a broken record
日本語訳:ずっと同じこと言っているね
直訳すると「壊れたレコードのように聞こえる」となります。レコードに傷があると、針が飛んで同じ部分をずっと繰り返すことから、いつも同じことを言う人にうんざりするというニュアンスでよく使われる表現です。
like a box of chocolate
日本語訳:何が起こるかわからない
直訳すると「チョコレートの箱のようだ」となります。チョコレートの詰め合わせには様々な種類のチョコレートが入っていて、蓋を開けてみるまで何が入っているかわらないことから、何が起こるかわからないことに使われる比喩表現です。
映画「フォレスト・ガンプ」で "life is like a box of chocolates, you never know what you're gonna get" 「人生は驚きがいっぱいで何が起こるかわからない」という有名なセリフがあります。素敵な言葉ですね。
as easy as ABC
日本語訳:とっても簡単だ
"This puzzle is as easy as A-B-C."「このパズルはABCのように簡単だ」のように、アルファベットのABCのようにとても簡単/シンプルなことをいうときの表現です。
like a ton of bricks
意味:猛烈な勢いで
直訳すると「レンガ1トンのような」となりますが、何かによってもの凄く影響やショック(衝撃)を受けることを表現しています。
The news of his death hit me like a ton of bricks.
彼が死んだというニュースは衝撃的だった。
いかがでしたでしょうか。今回は英語でよく使われている比喩表現をご紹介させていただきました。比喩表現にはその国の歴史や文化と深く紐づいているものが多いです。新しい表現を学ぶと同時に、その表現が生まれた背景も知るととても面白いですね。
今後も語学に関する役立つ情報をお届けいたします~☆